どうも清水です
今回は「雨漏りが止まらない…」というお客様からのお問い合わせです。
まずは現地調査です。
ビニール養生をしないと物理的に室内に入ってきてしまう様子
現調終了後、復旧しました。
さて、ここは現調だけではさっぱり分からなかったので調査が必要ですね。
被害は1Fとの事でしたが、
少なくとも1F〜2Fの出窓
どちらもという感じの様ですね。
クロスの剥がれ方、色、臭い、触った感触、勘、までで殆ど確実と言えます。
【雨漏り検査】
後日、画像分析なども終了し、雨漏り検査の作戦を考えてきました。
まずは雨漏り地点の出窓と出窓の間に点検口を設置。
この中の温度変化を見て、低い位置から散水を開始していきます。
5分で終了してしまいました。原因が判明です。
1Fのサッシは交換ですね。物理的に雨が当たるとガンガン入ります。
水切りから水が抜けず地下階に流れていく。これはやっかいなケースです。
2Fのサッシはコーキングで済みそうです。
コーキングしないとこれだけ入るというのも構造上良くは無いのですが、
今回の散水2Fに関しては100%コーキングですね。
毛細管現象で上から纏ってきた水を吸ってしまう構造でした。
ここは綺麗にコーキングして雨漏り検査合格です。
問題が1F出窓です。
「物理的に雨が入る」という事は、外装からだとどうにもならないのです。
外側に屋根をつけるとかテープで窓全部塞ぐとか、常識外のことをすれば勿論雨漏りが止まるのですが、
サッシの水抜けがどうにもうまくいかず、そもそも開け閉め部分の繋ぎという繋ぎかた水が抜ける状況。
そしてサッシが出窓なのではなく、躯体がRになっているので、
出窓がついているというより平面サッシの集合体がついているイメージなのです。
そしてこれはなんと再発注不可との事で、困りましたね
我々は材料建材がないと仕事が出来ません。
ただここまで手をつけた案件ですので今更サッシが無いので出来ないなんて事は言えません。このパターンは極めて難しいのですが、進化の時です。
新しいサッシを作る他ありませんでした
このタイプは例外がなく、症例としても色々勉強になりました。
サッシ交換施工の様子です
雨漏りで傷んだカウンターに保護塗料を塗布しました。
並行して地下に抜けてしまった部分のボードを修復し、クロスを復旧します。
画像はクロスに糊をつけている様子です。
完成です。
その後はとにかく、いじめます。これでもかという程、散水検査を行います。
そして終わりの時です…
点検口の中からの視点での雨漏り調査の報告書です。
雨漏りが止まった事も確認していただき、これにて終了です。
ブログなのでサクッと書きましたが、
経年劣化ではあるのですが、これが躯体ではなくてサッシそのものという場合は、
結構珍しいのと今回のサッシの構造は経験した事がないタイプだったのもあり、
正直どうすれば良いか結構悩みました。なので達成感、大です
この方法で検討する前は、2FからRのタイル部分壊しちゃって作り直した方が早いと思ってました。
ここまでやって直らない場合のリスクもこちらにありますので、
ただ今回はギリギリのピンポイントで攻める事が出来たので、一安心です。
正直雨漏りは大きく壊して作り直せば直ってしまう最終兵器がありますが、
それは雨漏り修復のプロの仕事とは言えませんので、
やはりギリギリを攻めようとします。それが私の成績にもなります。
ただ今回はサッシの開発費や施工、雨漏り検査に現場が少し遠かった事もあって費用がかさむ傾向にありましたので、
これで直らなかったら正直本当に分からない!という心境でしたが、
雨漏り検査の時に原因が判明した日の事を思い出すと、
自分の判断に自信が持てました。ちょっと不安もありました。
雨漏り検査は結果を出さないとただオジサンが水かけているだけ…という残酷な結果に終わるので正直散水中は孤独です。
ただこの案件は色々と乗り越える事が出来て良かったです
また新しい雨漏りの症例があれば出会ってみたいものですね
難しい雨漏り、原因が分からない雨漏り、
「何社も入ってもダメ!」だった雨漏り、
仕事というよりも趣味の領域でもあります。
原因が分かった時の達成感はたまらないものです
今回も喜んでいただけた様で良かったです
お家の事で気になる事があるという方はお気軽にお問い合わせ下さい
ここまで読んでいただきありがとうございます